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2017年4月16日日曜日

【名探偵コナン】純黒の悪夢 聖地巡り!【ベルリン編】

みなさんこんにちは。

このブログを始めてはや数か月。
好きなことについて好きな時に書き、できればみなさんにも素敵なものを広めたいなという気持ちでマイペースにやってきています。

が、その「好きなもの」の中で、特に長くファンでありながら、いまだ語っていない作品があります。


それは、

名探偵コナン!


小学生のころから好きな漫画で、昔からずっと追っている作品です。
探偵ものが好きになったのはコナンのおかげ。
どこか探偵のような職業を目指したいと思うのも、コナンがきっかけです。
私のIQは400もありませんが。

数年前からコナン応援・考察のウェブサイトをたまに訪問していましたが、最近はTwitterでもコナン好きの方々に出会うことができ、考察や愛を語るコメントを読んで、特に再熱しているところです。
推理&ラブコメ、どちらの要素においても、みなさんの着眼点の鋭さや考察の深さにはいつも感心させられています。脱帽。
そしてやっぱり、自分が好きな作品が愛されているのを見るのは嬉しいですよね。


一番好きなエピソードは、「ピアノソナタ『月光』殺人事件」。
一番好きな映画は、「迷宮の十字路」。
キャラクターの一番はなかなか選べませんが、やっぱりコナン(新一)とその周りがわちゃわちゃしているのを見るのが好きです。コナンであってこその漫画ですしね。

と、コナンについて語る初めての記事ですが、今回のテーマは魅力語りではなく… (これは後日たっぷりやらせていただきます!)



名探偵コナン20周年映画「純黒の悪夢」の聖地を探しに行ったよ! というお話です。


※ネタバレ含みます。


大丈夫な方は続きをどうぞ!
↓↓






先日金曜ロードショーでも放送されました「純黒の悪夢」!
流石20周年、コナンの集大成! 注がれた熱意の量が半端じゃないです。
特にアクションシーンがめちゃくちゃアツい名作ですよね。キャラクターたちの会話も和みます。そしてキュラソーさんカッコイイ。好きです。キュラソーさん…

さて、今回は黒の組織のみなさんも頑張ってますよね。冒頭のキュラソーさんの華麗なるアクション・カーチェイスから、中盤の組織メンバーのNOC排除活動、キールとバーボンの尋問、そして終盤のオスプレイでの集中攻撃! (シューティングゲームみたいだなと思ってしまってごめなさい…なんかジンの兄貴がすっごく楽しそうにしてたから…)

なかなか普段よりも見せ場が多かった印象のある組織メンバー。その中でも特にジンの兄貴がかっこよかったのが、リースリングというNOCを始末するあの場面だと思います。

舞台はベルリンでしたね。
夕暮れ時で、光の加減が美しい背景がとても印象的でした。

と、いうことで。


ジンとウォッカがリースリングを追い詰めるあの場所はいったいベルリンのどこなのか。
映画の映像を頼りに聖地を探しに行ってみました!!



それでは順に見ていきましょう。


①最初の建物
まず最初に見えるのは、街の中、大きな川を背に建つ建物。
特徴的なドーム型の屋根に十字架が立っているのが、見切れていながらも分かります。

ということは、これはベルリン大聖堂の裏側のようですね。



自分で写真を撮るのをすっかり忘れてしまっていたので、GettyImagesから似たような構図のものを借りてきました。まさにそんな感じです。

建物の足元には、Spree シュプレー川という川が流れています。
左手奥にも、ちゃんと橋が見えますね。

ベルリンのシンボルの一つですし、この場所は割と簡単に分かりました。


ちなみに、大聖堂を表側から見た写真はこちら。綺麗ですよね。
左手の騎馬の銅像は旧博物館のもの。大聖堂の左手奥に見えているのは、有名なテレビ塔です。

大聖堂前は噴水のある大きな広場になっていて、常に人でにぎわっています。


ここまではごく明解ですね。
問題はお次、ジンの兄貴の見せ場となる場所です。


②ネズミを追い詰めた現場
ここからは一筋縄ではいきません。
どうやら映画で見ることのできるのは、現実にある場所そのままではなく、様々な要素を足して作られた架空の場所のようです。
しかし、ベースとなる場所や、追加された要素が見られる場所は見当をつけることができました!
今からそれを見ていきましょう。


大聖堂からシーンが切り替わると、まず大きな石造りの建物が上から下まで間近で映し出されます。この足元を、逃げるリースリングと追うウォッカが走っていきますね。


画像を貼り合わせて、可能な限りの全体図を出してみました。
三角形の屋根のレリーフに、滑らかで太い6本の柱
は上から小さな長方形大きく長く上部の丸いかまぼこ型、そして大きな長方形です。
また、走るリースリングさんで人物と建物の比率が分かります。

先ほどの大聖堂とは作りがずいぶん違いますね。
ギリシャ様式の建築物を彷彿とさせるところがあります。


手前は再び。これは先ほどと同じくシュプレー川でしょう。ベルリンを流れる大きな川と言ったらこれです。


大聖堂に近く、川が流れているところに建ち、ギリシャ建築の要素がある歴史的建物といえば…

博物館島が真っ先に思い浮かびます。世界遺産にもなっている、5つの歴史的博物館が立ち並ぶ小さな島の一部ですね。

ここで特に有名なのは、一番大きい Pergamonmuseum ペルガモン博物館、そして島の先端にあり丸いドーム型の屋根が目立つ Bode-Museum ボーデ博物館 です。

ペルガモン博物館。(©asisi)
当日は外側の工事中でいい写真が撮れなかったため、お借りしてきました。

ボーデ博物館。

このように、シュプレー川の中にある小さな島にそびえる大きな建物たちです。

工事現場にあった地図を拝借。
一番手前の丸いドームがある建物がボーデ博物館、その奥のコの字の建物がペルガモン博物館です。
ちなみにボーデ博物館の撮影場所は緑の点で示してあります。


さて、写真からお分かりかと思いますが、この二つの博物館はギリシャ建築風の見た目が特徴的です。映画で描写された建物とよく似ていますね。

まずペルガモン博物館と比較。

三角形の屋根に大きな柱は8本。柱は丸いですが、ギリシャ神殿で見られるような深い溝が全体的に上下に走っています。
窓は上から中くらいの長方形、大きく上部の丸い窓、そして小さな横長の長方形ですね。
柱の見た目や数、窓の大きさの違いはあれど、全体としてはなかなか映画の中の建物に似ていると思いませんか?

お次はボーデ博物館

また、今回は垂れ幕がかかっていて見えにくいですが、ボーデ博物館の丸い屋根のすぐ下にある側面も、上記の屋根や柱の特長をおおよそ兼ね備えています。また、窓の大きさや位置はペルガモンのものとほぼ同じ。
しかもこちらはペルガモンと違って柱の表面が滑らか! 要素としてはますます映画の建物に似ています。

これらのことから、映画の建物はペルガモン博物館とボーデ博物館を足して二で割ったようなもの、と言えるでしょう。

どうやら、大聖堂の裏からリースリングが逃げたのはこの博物館島の方向で間違いないようですね。


ただし、現実のペルガモン博物館やボーデ博物館の足元に長い通路はなく、彼女ら組織の面々のように川のそばを走り抜けるということはできません


しかし! 通路はなくても、一つ目を引く場所がありました。
その通路の延長線上にあるように描写された、リースリングが追い詰められたこの





ボーデ博物館にて、上記の垂れ幕の壁のすぐ左側、建物が終わり橋がかかる手前に、映画の中の場所と位置関係も形もよく似た角があったのです!



どうでしょう。映画の描写よりも狭くはありますが、ちゃんと川に面する三角形の奥まった地面があります。
(丁度ボートが通った瞬間もパシャリ。)

この小さな場所を見た瞬間に「あっ、ここだ!」と思いました。



この直感を裏付ける要素は他にもあります。
ボーデ博物館の一番目の写真をもう一度見てみましょう。
これには二種類の橋が写っている事がお分かりかと思います。

一つ目は、写真左側、建物の入り口へつながる石造りの橋。
二つ目は、写真右奥、右手から建物の裏へとつながっている鉄橋。


まずは一つ目の橋を見てみましょう。
写真に写っている通り、この建物の入り口へ続くのは、左手に見えるレンガ造りの橋です。


アングルのせいで少々分かりづらいかもしれませんが、映画で描写されたレンガの橋は、ジン・ウォッカ・リースリングがいた場所の、こちらから見て左側。下には川が流れ、橋は彼らがいる側の建物につながる道となっています。
形も素材もぴったりです。





二つ目の橋は、右手奥の鉄橋。電車が通るための電線が張ってあるのが分かりますね。下はトンネルになっています。
撮影当日は周りが工事中だったため少々殺風景ですが、拡大図はこんな感じです。丁度電車が通ったところもパシャリ。




映画では土台の部分がレンガ造りですが、上の鉄橋部分の見た目はまさにボーデ博物館の後ろにあるそれですね。

鉄橋の後ろに見える景色が少し違う…というか、ボーデ博物館そのものが映っているように見えるのが少々気になりますが、ボーデ博物館の手前側には電車は走っていませんし、同じような建物もないので、これは作画用の資料を減らすため、または現実世界からもう少し変化をつけるためにボーデ博物館を再利用した部分だと信じています…。


余談ですが、このボーデ博物館のすぐ後ろにある鉄橋、実は最近話題になりました。
みなさんもご存知かもしれませんが、つい二週間ほど前、このボーデ博物館に展示されていた重さ100㎏もある大きな金貨が盗まれるという大事件がありまして。
純度の高さでギネスブックにも登録されているこの金貨、被害額は約4億5千万円! 
どうやら犯人は梯子を使い、この鉄道橋を伝って建物に侵入したそうなのです。
ここ数年で一番の鮮やかな窃盗だということで… とある怪盗のことを思い出しました。狙いはビッグジュエルじゃなかったようですが。
参考ニュース記事はこちら。


また、ボーデ博物館の陰になって写真には写りませんが、あのレンガ造りの橋から三角の隅が見える場所を向いた方向には、テレビ塔があります。
まさにジンがリースリングを撃った直後のシーンのように。


ただし、このような角度でテレビ塔がよく見える場所はここではなく、今まで大聖堂→ペルガモン博物館→ボーデ博物館とたどってきたシュプレー川沿いの道を戻った先の大橋の手前にありました。

地図で言うとこちら。
緑の点が撮影場所。
ベルリン大聖堂があるのは、この地図上では右上の広い四角が並んでいる場所ですね。この地図では博物館しか表示していないので分かりづらいですが。あとでもっと分かりやすい地図を載せておきます。



こちらも絶賛工事中ですが、あのようにテレビ塔が見え、なおかつ周りに橋といくらか建物がある場所はこのあたりだと思います。
今度は右手に見える橋がレンガ造りですね。映画の橋の描写と半分合っています。


ということで、ボーデ博物館の足元にいるジンとテレビ塔が一緒に映るシーンは、この場所をボーデの足元からの風景と合わせて作ったものであると推測します。


また驚いたことに、ボーデやペルガモンのある博物館島からこの場所まで来る道なりに川を観察していると、なんと向こうでは見当たらなかった「川沿いの足場」が一部に存在することが分かりました!
本当に短いセクションでしかないですが(写真も撮り忘れていますが…)、数秒は走っていられそうな石造りの足場が、博物館たちの裏側にあったのです。おそらくボートを着けて人が乗り降りするための足場なのでしょう。まさかあるとは思わなかったので、意外な発見でした。

・・・・・・・・・・

というわけで、まとめ


①最初に映されたのはベルリン大聖堂の裏側。

②リースリングが前を通った建物は、屋根、窓、柱の形や素材などがペルガモン博物館やボーデ博物館のそれらと酷似している。

③リースリングが追い詰められた場所は、足場の形、そして周りの橋の位置や特徴から、ボーデ博物館の足元である可能性が高い。

④この場所と同じ角度でテレビ塔が見えるのは、ボーデ博物館やペルガモン博物館よりもう少し先に行った大橋の辺り。また、ここまでの道のりには、博物館島にはなかった川沿いの足場がある。


よって、リースリングの逃走経路、そしてジンとウォッカに追い詰められた場所は、現実世界と照らし合わせると以下のようになります。
(グーグルさんから3D地図を拝借。最近は地図も便利になったものですね!)

黄緑の線が逃走経路(予想図)。
白☆ ベルリン大聖堂裏側、起点
赤★ ボーデ博物館足元 三角形の足場、終着点
①ベルリン大聖堂
②ペルガモン博物館
③ボーデ博物館
④テレビ塔の見える大橋の手前


大聖堂裏側からの図。南南西向き。

大聖堂表側からの図。ボーデ美術館の足元が見える側。北北東向き。

また、ボーデ博物館の足元からはテレビ塔は見えないことが、この図から分かるかと思います。

興味のある方は、ご自分でGoogle Mapから検索して、3Dビューをぐりぐり動かして遊んでみてくださいね。


というわけで、いい感じにまとまりました。
数カットしか映らなかったリースリングとジン・ウォッカの鬼ごっこですが、これで再現できそうですね。←


ただ、一つだけ難点が。
上記の場所・ルートはどこも人通りが多い上、写真でも分かるように向かい側の道からよく見えるため、あんな追っかけっこをしようものなら、いくら夕方で黒ずくめの服でも簡単に見つかってしまうということ。
…まあ、そこは漫画の世界ですし。気にしないでおきましょう!


このほかに何か追加すべき場所が見つかれば、その都度更新していきたいと思います。


・・・・・・・・・・


最後に、この聖地巡礼で見つけた、銅でできた立体模型地図をご紹介。
上記の順に道を進みながら左右に注意していれば、必ず見つかります。

細かく作られた銅の立体模型地図。
一つの芸術作品のようです。

映画で最初に映っていたのは、模型では右奥に見えるベルリン大聖堂。
皆に触られて、屋根の十字架が本当に金色に光っています。
御利益があるのかな?

ペルガモン博物館は、大聖堂から左手前へ進んだ方向に。
リースリングはここから更に左へ逃げていき…
ボーデ博物館の足元に辿り着いた可能性が高いです。
ここの左側の橋と博物館の間で射殺され、
シュプレー川に落ちてしまったのですね。

ジンが銃を撃った後にテレビ塔が映っていたのは、
大聖堂とペルガモン博物館の間、最初の橋を渡ったところから見える風景でしょう。

ちなみに、この銅の模型は2010年にできたものらしく、
建物それぞれの説明に点字もついていて、
盲目の人でも模型を触って景色と名前が分かるようになっていました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ここまで長々とお付き合いありがとうございました!

いやー、今達成感がすごいです!!!
アニメーションの製作で、実際にある場所の要素がどううまく使われているのかがよく分かる旅となりました。何より楽しかったです。


ということで、みなさんもベルリンに行くときは、ぜひこの記事を頼りに「純黒の悪夢」聖地巡りをしてみてはいかがでしょうか!

今回取り上げることとなったベルリン大聖堂や博物館島のある地域は歴史的建造物や博物館・美術館の宝庫で大変美しい場所なので、ぜひその足で時間をかけて巡ってみてくださいね。


それでは引き続きよいコナンライフを!!









…リースリングがやられるところの背景と影の描写が特別綺麗で思わずスクショ。
ここの人物の動きもだいぶ凝ってありますよね。走ってきた人間が、撃たれた瞬間歪んで人形の様に力なく落ちていく。製作陣の本気がうかがえる場面の一つです。



ベルリン編・完

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