事前知識がほとんどないまま連れて行ってもらった先で出会ったのは、広大な大地が擁する大自然の素晴らしい景色でした。
写真をたくさん撮ったので、ここでひとつまとめをば。
Day 1: 乌鲁木齐(ウルムチ)到着
中国の約6分の一の面積を占める新彊。まずは飛行機でまずウルムチへ飛び、そこから車移動の旅になります。
| 空港の看板には中国語とウイグル語が併記されています。 |
| 早速大きな湖とラクダの群れの写真がお出迎え。 |
ホテル到着後、日の暮れるウルムチの町を散策。緯度が高いことと、だいぶ西にあるのにもかかわらず中国全土共通で北京時間を使用しているので、太陽が沈むのは少し遅め。
賑わっている屋台を回った後、現地の人におススメされた新疆料理のレストランへ行ってみることに。
カッコイイラクダのロゴの纳瓦ナワは、カザフ系の民族の音楽と踊りが楽しめるレストラン。広くて賑やか、ご飯は美味しく、明日からの旅への期待がぐっと高まりました。
しかし店員さんの間で話されるウイグル語は全く聞き取れない。中国語とは違いテュルク語族に分類される言語です。
| 羊の串焼きに手抓饭などなど、これぞ新疆なメニュー。どれも美味しい! 黄色ニンジンが特に柔らかくて甘い。 |
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| ホテル近くの別のレストランへ向かう道がおしゃれ |
| 近所のLuckin Coffeeでhoyoverseの崩壊スターレイルとのコラボが開催中であった |
Day 2: 烏魯木斉(ウルムチ)→天山天池→奎屯(クイトゥン)
この日から新疆10日間ツアーへ出発進行!
ウイグルはその北部だけに限定しても、目的地の間の距離が離れていて移動時間が結構あります。初めて訪れる地なので、今回は旅行会社を通して土地勘のある専属ドライバーの方にお世話になりした。毎日の長距離運転だけでなく、ガイドやカメラマンも務めてくれた彼には本当に感謝。
常に朝から晩まで時間をフル活用して活動していたので、夜しっかり寝たはずなのに私は移動中はたいてい爆睡してました。
まずは天山山脈の中にある天池へ。
UNESCO自然遺産に登録されており、自然公園の入り口までは自家用車、チケット取ってからは園内専用のバスに乗り継いで山登りです。蛇行する道を難なく走行していく園内のドライバーさんたち。
山の上に着くと気温が地上より数度低いのを感じます。
少し歩けば目の前に大きな湖と、その中ほどに山々の裾が降りていく絵葉書のような風景が。晴れていたのも幸いでした。
帰り道に小腹が空いたので買ったガイドさんおススメの馕(ナン)が素朴な味で美味しかったです。
作り方が面白い。生地を型の上で伸ばして模様をつけ、ゴマをたっぷり付けて、型を支えにして炉の壁に貼り付ける! 焼けたら棒で取り出して完成です。焼きたて一番。でも冷めても美味しかった。
作り方が面白い。生地を型の上で伸ばして模様をつけ、ゴマをたっぷり付けて、型を支えにして炉の壁に貼り付ける! 焼けたら棒で取り出して完成です。焼きたて一番。でも冷めても美味しかった。
ここから4時間かけて奎屯へ。ウイグルで烏魯木斉の次に大きい街です。
街観光は後にして、とりあえず晩御飯! 肉団子と米粉麺入りのスープをいただきます。あったまる。
| 店外設置のグリルで常に羊が焼かれている。 |
晩御飯の後は驿马巷というシルクロードがテーマのネオン街を散策。綺麗だけど意外と人が少ない。写真撮り放題です。
| 東野圭吾は中国でも大人気。 |
| ジブリがいっぱい。 |
| 非人哉フェーレンザイの漫画版発見! |
Day 3: 安集海大峡谷→赛里木湖(サリム湖)
この日は朝から雨模様でしたが、幸い到着時には霧雨程度になり、安集海大峡谷の霧はどんどん晴れてきたのでナイスタイミング。
どういう景色が見られるのか事前に調べなかったので、目の前に現れた崖の地層とそれを形作った青い川の流れには息を呑むほど感動しました。
霞む遠くの谷から延々と続く小さな川が束になって大きな川に流れ込み、橋をくぐってまた先へ。黒や茶色、赤色の地層とのコントラストが風流。
地盤がどんどん緩んでいくので、次来る時は今立っている場所がなくなっているかもしれないような土地。
離れる頃にはまた雨足が強くなり峡谷がほとんど見えなくなってしまったので、本当にタイミングが良かった。良いものを見せてもらいました。
次に向かったのはほぼカザフスタンとの国境、新疆の西の端の山に広がる賽里木湖(サリム湖)。「大西洋の最後の涙」と称されるこの広大なこの湖は、大西洋で発生した暖かい気流がここまで流れ着き、最後に雨となってこの地に降り注ぐことでできた湖だそうです。
一周90kmもある湖を今日は半周ほど見て回ります。
湖に近づくにつれて天気はだいぶ晴れ間が多くなっていい感じ。風の強さを利用して風力発電が盛んなようです。
遠くに見えるボロホロ山脈に雪が増えたあたり、湖の手前でカラフルな羊が放牧されていたので山と一緒に写真を撮ろうと降りたら、ちょうど羊飼いがバイクで群れを追い立てて道を渡らせるところに遭遇。まだ完全に去っていない暗雲と青空のコントラストも相まって、なかなか出会えない素晴らしい景色に。
更に進んでエメラルドグリーンの水が海のように押し寄せる水辺で写真撮影。完全に晴れていたなら、水はさらに明るいターコイズブルーに見えるそうです。
広大な湖の迫力を堪能でき、また天気にも恵まれたので非常に満足度が高い日に。夕暮れ時の雲間からの薄明光線も綺麗に見えて良かった。
やはり水と空の景色が私は好きだ。そこに山もあれば尚良し。ということでこの風景を気に入らないはずがなかったのでした。
夕食は暖かい皮蛋と牛肉入りのおかゆや牛肉餅(揚げ焼き)などをいただく。冷えた体が芯から温まる優しい美味しさ。
Day 4: 赛里木湖(サリム湖)一周→奎屯
サリム湖の昇る朝日を見るために早起き。しかし早すぎてホテルの朝食ホールが開いてなかったので時間つぶしに星空観察。光源が少ないので良く見える。でも銀河が見えるほどではあらず。
ホテルのビュッフェにミルクティーがあったので飲んでみたら少し塩味がする! 店員さんに聞いたらしょっぱいのは当たり前よ、とのこと。どうもここのスタンダードらしい。昔飲んだモンゴルの马奶茶(馬のミルクを使ったお茶)を思い出しました。
そうこうしているうちにいつの間にか空が白んできていたので急いで日の出スポットを目指して出発。
| かっこいい形の岩山に、不思議な円形コロニーを作って育つ草木。 |
| すぐそばの草地にラクダたちと、馬に乗って移動する人々。 |
| アジアのラクダはふたこぶですね。 |
次のストップは水辺の手前全体にボードウォークが張ってあって、水辺の砂利道にいる人とお互いに水に反射する姿を撮り合えるようになってたのが面白い。
存分に湖と空の青を堪能し、そろそろ離れようかと思ったところで白鳥の群れが! ちょうど砂利道とボードウォークの間の水に羽休めに着水してきたので、その場に居合わせた人みんなで撮影大会に。やはり美しい鳥ですね。
赛里木湖の名入り石碑は観光客に大人気。ここでも水が綺麗ですね。
傍のレストランでここの名産として有名な高白鮭の料理を提供していたので、少し食べてみることに。標高が高く、ある程度水深のある湖でしか育たないこの魚はこことロシアのとある場所にしかいない珍しいものだそうです。
鮭と名前はつくものの、餌が違うようで普通に身が白く、サイズは鮭ほど大きくない。スパイスたっぷりの串焼きは一本20元、程よく甘い身が美味しかったです。
サリム湖で訪れたスポットの中で一番静かで落ち着いていたのは、この次に訪れた小麦色になった草原。湖のちょうど東側の大きなカーブを描くあたりで、水の青が濃く映る場所。道路から水辺まで700mほどの距離があり、あちこちに牛や羊の落とし物とそこから生える花々があるのでちょっと足元注意。
他に人がほとんどおらず、景色が全部自分たちのもののようで時間がゆったり流れる感覚。この瞬間が終わってほしくないと思う時間でした。
次はサリム湖を一望できる、かつてチンギス・ハンが占拠したという場所へ。広い階段を上った先には立派なモンゴル族の祭壇が作られていて、リボンや旗が強風にはためいていました。上からの眺めが良き。祭壇に石を積んでお願い事をします。
最後に、果子溝大橋という山中の橋が見える展望エリアまで片道一時間弱えっちらおっちら登りました。ボードウォークがしっかり整備されているものの、一部雪と氷で滑るので注意。傾斜も結構キツイので息も切れ切れ。自分の体力の減り様を痛感…小さな子供やスカートにブーツの人も登っていたのを見て脱帽。
| 湖面に映るボロホロ山脈。 |
| ここにもミステリーサークルのような広がり方の低木群が。 |
| 上に登るにつれて雪が残る斜面が多くなる。 |
| あちこち凍った残雪で滑りやすくなっている木製の階段。注意安全! |
道半ばの開けた場所での湖の眺めや、50分かけて登った頂上からの眺めは疲れが吹っ飛ぶ絶景! 雪と針葉樹に覆われた山を通り抜ける噂の大橋のカーブが綺麗。みんなが頑張って写真を撮りに来るのも分かります。
自分の足を使って展望台に到達した達成感と共に下山。膝はガックガクになってしまいましたが。翌日は確実に筋肉痛コース。
というわけで、素晴らしい景色を見せてくれたサリム湖の一周90㎞の旅をここに終えました。
Day 5: 奎屯(クイトゥン)→乌尔禾胡杨林→世界魔鬼城→布尔津(ブルジン)
奎屯から北上する移動日。
これまでちらほら見かけた綿花の畑の一つに寄らせてもらい、初めて綿の実際の花(薄黄色でかわいい)と綿が弾ける前の実(しっかりした球体)を初めて見ました。これが弾けて5つに分かれて出てくる綿を取れば素材として加工できるのね。
| 朝露でキラキラしている「綿花」と実際の綿の花。 |
砂漠の砂丘のような地形も遠くに見え、新疆は広いのだなとさらに実感します。
最初の目的地は乌尔禾胡杨林。胡杨(胡楊)というポプラの一種で新疆辺り特有の木が群生している広い園。
ちょうどその木たちが紅葉で葉が緑から黄色に変化している時期で、あと5日もすれば全部黄色になりすぐに散っていってしまうという。今回はそのタイミングにドンピシャで訪れることができたので非常にラッキーでした。
園の中では小さな汽車型の車で7kmのルートのうち3駅を好きに乗り降りできる仕様。緑を少し残しながらも、ほぼ全部の木がすでに黄金色に染まっていました。
2番目の駅の奥の自由に散策できる広いエリアが静かで写真も撮りやすく良いスポットでした。遠くにカラフルな断層の崖が見えるのもポイント。お気に入りの木を見つけて写真を撮ってみよう!
しかし昨日までいた山中の湖とは打って変わって暑いのなんの。帽子やUVカットパーカーなど、紫外線対策も必須です。
砂漠地帯にも育つ樹種としては唯一らしい胡楊。いずれは立ち枯れ、土に還るのが運命ですが、それは途方もない時間を経ての事。耐寒性、耐干性、耐塩性、耐風性に優れたこの木は「生而千年不死,死而千年不倒,倒而千年不朽」――千年枯れず、枯れても千年倒れず、倒れても千年朽ちず、と言い伝えられています。
| 記念に持って帰りたいほどいい感じの枝。 枯れた幹は灰色になるようですね。 |
周りに生える低木はトカゲなどの生物の住み家にも。
なかなか乗り込めない汽車型バスを待つ間に、何度も新疆に来ているけど秋は初めてというベテラン観光者に話を聞く機会が。曰く、「ここや魔鬼城は南新疆に行ったことがないなら面白いと思うよ」とのことでした。そして新疆は「家に戻って旅行を思い返すとやはりまた来たくなる場所」なのだそう。
南新疆にはもっと古くて大きな木々の群生地があるらしいし、なるほど今度は南にも行ってみないとだ。
やっと来た空の汽車に乗ってまた胡杨林を通り抜ける。風に揺れる葉の音やススキの揺らめきが暑さを和らげるようでした。
| 今回見つけた一番お気に入りの樹。 |
| ここにもラクダさんが。 |
次の目的地へ向かうところで採油場のオイルポンプを観察。実際に稼働中のものは初めて見たので新鮮でした。ゆっくりながらも絶え間なく動く働き者。
すぐそばの魔鬼城へ移動。エリア入り口の退魔の眼モチーフがかっこいい。
こちらでも汽車に乗って園内観光。長い年月をかけて風に形作られた不思議な地形に想像力を働かせます。月見するオットセイやスフィンクス、二面から顔に見える魔鬼夫婦などが分かりやすいかな。みなさんには何が見えますか?
こちらは特にラクダがいっぱい。人を乗せて散歩中の一行を写真のモチーフにさせてもらい、待機中の眠そうなラクダたちを観察。馬もおりました。
不思議な地形を堪能したあとはさらに北の地・布尔津(ブルジン)へ。
道路周りの地形は変わらず砂岩がいっぱいで飽きない。風力発電機の多さも印象的でした。そして日の入りがグッと早くなったような。綺麗な夕焼けと三日月が見えました。
| 設置中?の風力発電機。 |
晩御飯は布尔津で一番賑やかな通りを冷やかし、その中のレストランで 煮魚二種類(狗魚と三道黒という面白い名前のお魚たち)をいただきました。ついでに羊肉の串焼きと釣鐘型の串?で炙った名物も。後者はちょっと筋が多くて食べづらかったです。(店によるかも)
| 生簀で泳いでいる魚を提供してくれます。 |
Day 6: 布尔津(ブルジン)→喀纳斯(カナス)湖・1日目
さらに北を目指し、新疆でもとくに有名な観光地・喀纳斯(カナス)湖エリアへ向かう日。
2時間半ほどの道のりでは、車窓からの景色が砂漠のような砂丘・砂岩に始まり…
山に向かうにつれて緑の草原と黄金色に染まる松の木々へ変化していきました。途中で二箇所景色のいい谷のスポットで車を停めて写真撮影。
紅葉して葉が落ちる種類の松らしい。
しかし山道でも結構みんなビュンビュン追い越しするからちょっと心臓に悪い。
| アルタイ地方のカナスエリアへ。 この辺りはパスポート審査の関所が増えます。 |
花楸树(セイヨウナナカマド)の林を抜けてさらにいくつかの小さな泉を過ぎ、1時間ほどで中央バスターミナルへ到着。ここからは各観光地やロッジのある新喀纳斯村へ向かうシャトルバスがひっきりなしに出ています。人の多さにしてはなかなか管理の行き届いた場所で、ご飯屋もいくつかあって賑やかです。
| カナスエリアは広大だ |
カナスは滞在時間に合わせて二日券、三日券などを購入することができ、これには広大な観光エリア内のシャトルバス代がすべて含まれています。毎日エリアの外の宿泊先へ戻るのもアリだし、カナスを思いきり楽しみたいならエリア内の宿泊先を押さえておくのも手です。今回のツアーでは移動による疲労も考慮して後者で組んでもらいました。
ということでまずは新村に向かうシャトルに乗って宿泊先へ。簡素だけど必要なものは揃っているロッジはなんと床暖房もあります。ここは雪が降ると一気に冷え込む地なのです。ちなみに2人部屋で一晩1500元(!)らしいです。
荷物を軽くしてからターミナルに戻って遅めの昼ごはんを食べ、今日の目玉・观鱼台へ!
乗り込んだマイクロバスは四輪駆動で、ちゃんと着席した全員がシートベルトをしないとずっとピンポーンとアラームが鳴る仕様。ヘアピンカーブをだいぶハイスピードに曲がっていくので、最後尾に座っていた私たちはジェットコースターに乗っているようでした。
乗り込んだマイクロバスは四輪駆動で、ちゃんと着席した全員がシートベルトをしないとずっとピンポーンとアラームが鳴る仕様。ヘアピンカーブをだいぶハイスピードに曲がっていくので、最後尾に座っていた私たちはジェットコースターに乗っているようでした。
幸い酔わずに观鱼台の階段手前へ到着。全部で1068段ある階段を展望台まで登っていきます。人が少ないローシーズンだったことが幸いし、危惧していた2-3時間待ちなんてことにはならず良かったです本当に。
| 山道を飛ばす四輪駆動マイクロバスでやってきた登り口。 |
| ここから1000段以上の階段を上る。 |
頂上に向かう途中にもたくさん景色のいい展望デッキがあり、休憩も兼ねて眺めと写真タイムを楽しみながらゆっくり登りました。やはり青い湖と黄色い山々のパノラマが良い。途中で谷に雨が降ってきましたがその様子も絵になります。しかもこちらには雨がほぼ来ずラッキーでした。
特徴的な面白いデザインの观鱼台。昔はここから湖の魚を観察するために使われていたといいます。
屋上は風が強くて寒かったので、しっかりした防寒防風装備が大事です。
下りも風景がよろしいので撮りながらゆっくり降りて行きます。バスの代わりに馬に乗って山を上がってくる人たちもいてそれがまた風流。中央のバスターミナル横に50頭くらいの馬がずらりと待機していたのはこのためだったようです。
ターミナルに戻り、明日向かう国境近くへの村への通行証を貰いに警察の派出所へ。銀行みたいにハイスピードでスタンプを押す技術を会得している警官がおりました。
夜真っ暗になった村の星空散歩をしていたら、夏の大三角形のあたりにうっすら銀河が見えました!
あと近くの焼肉レストランがだいぶ賑やかだった。
Day 7: 喀纳斯(カナス)湖・2日目
本日は早起きし、神仙湾へ朝霧を見に行きます。ほぼ氷点下なので完全防寒着で臨む。
昨日下見しておいた、ターミナルへ向かうバスが最初に停まるバス停へ。同じ目的の旅行者たちがすでに20人ほど並んでいました。
ちょうど空が明るくなる中、無事にバスに乗車&着席成功。もし宿から最寄りの駅で待っていたら乗れないところでした。中央ターミナルからバスを乗り換え、窓際から霧の中の山々や乗馬する人々を眺めます。なかなか幻想的な風景です。
泉に着くとまだ霧がだいぶ濃い。寒い中いい場所を探しながら二時間ほど待機、霧が薄くなったり濃くなったりを繰り返してだんだん周りが良く見えてきました。ボードウォークは凍って滑るので要注意。
青い泉がうっすら見えてきて日もだんだん高くなってきたところで泉の傍へ。しかしこのぬかるみ地帯に置いてある飛び石の間隔が広く、湖の傍では一部不安定or水に浸かっているのでなかなか厳しいルートでした。天気によるのだろうけど、これは観光地としては要改善ポイントかも。泥に足を突っ込んだり、滑って転んだりしてしまう人もいましたし。
何はともあれ、泉の傍に行って山から太陽が覗き霧がほぼ晴れるまで景色をを堪能。上で待っている間はやはり霧のせいで足まで悴んでくる寒さだったけれど、太陽が高くなるにつれて少しは暖かくなりました。
霧が少しずつ晴れていく湖面はなかなか幻想的です。遠くの小島にサギや白鳥の家族もいて非常に絵になる光景でした。
衣装を着せられて連れてこられた仔山羊たち、一回10元で抱っこされていた。割とあちこちで見かけました。
しかし後から思うと、日の出の時間になっても泉のさらに東側にある山で日光はしばらく遮られており、泉に日が当たって霧が晴れるのは日の出の約二時間後となるので、寒い中じっと待つ時間がツラい場合は朝一に突撃する必要はないかと思います。まあこれは実際に現地に行かないと分からないことですね。
一時間弱バスに揺られ、まずは空中草原と名の着いた広い草原と孤独树を見学。『我的阿勒泰』というドラマシリーズのロケ地になった場所だそうです。山を背景にした長閑な草原には犬と馬がいっぱい。モンゴル族の家である包の中も見学できました。そしてここは花壇の花が咲き乱れるくらい気温が高い。朝に行った水辺とは大違いです。
そしてカザフスタンとの国境にある境界村・白哈巴へ。西北第一村と書かれた石碑や軍事設備、そして有刺鉄線付きの柵が目につきます。すぐそばが国境ですのでね。
村自体は長閑な雰囲気。綺麗な白樺と松の林がありました。白樺もちょうど落葉の時期。
野犬と家犬の邂逅や、テコでも動きたくない車道で寝る犬を観察。水撒き車に追い払われていた。
| 暑いのでミルクアイスをゲット。脂肪分が高くて柔らかい。 ほんのり甘さが美味しいです。 |
長い一日を終えて戻ってきた宿からの風景。夕日に染まる紅葉の山が綺麗でした。
Day 8: 喀纳斯(カナス)湖・3日目→禾木(ヘム)村
今日はとうとう喀纳斯を離れる日。お世話になったロッジを後にし…
まずは荷物を中央ターミナルのロッカーに預ける。デジタル決済ができるし、しかも支払ったお金はデポジットなので後で返ってくる超親切仕様。
さらに長閑な雰囲気な村の三角屋根を通り過ぎ、湖のほとりへ。
まずは人の少ない川部分を見に行くと、ここが喀纳斯湖で一番人も少なく静かで景色が良かったです。
澄んだ青い水が流れていく中、水鳥が潜水して魚獲りをしていたり、綺麗な小鳥や黒い毛皮のリスが木々を移動していたり、見るものも多くて楽しい。
クロリスの追いかけっこ、ずっと見ていても飽きない。
遊覧船の出る湖の方へ。こっちは断然人が多い。昨日观鱼台から見えたのはこの辺りのはず。
中央ターミナルへ戻り…
| 「狐書店」だけど見かけたのは猫。 |
気の済むまで写真を撮って景色を目に焼き付け、喀纳斯に別れを告げます。天気にも恵まれましたし、本当にいいところでした!
| シャトルバスを降りた先の大きなターミナルで烤包子をゲット。これも新疆名物。 |
元のドライバーさんと合流し、次の目的地・禾木(ヘム)村へ。こちらもカナスのように秋の色に染まった自然が綺麗な場所だそう。
道中の景色のいい谷で写真撮影会。
白樺の木が紅葉してちょうど落ちてくる時期、黄色と緑のコントラストがやはり素敵です。一週間も遅かったら何もなくなっているところでした。これも良いタイミング。
ヘアピンカーブだらけの山道が白樺のトンネルに。
しかし山道なのに速度制限を守ってる車はあまりいなさそう。
こちらはもう一カ所車を停めた場所。深い谷の景色に圧倒されました。
| こちらも木製とんがり屋根のロッジが特徴的。 |
ターミナルから別のバスで宿泊先のロッジまで。村の周りは長閑な風景が広がります。ロッジの作りはカナスのものとほぼ同じでした。
荷物を置いて村の中心まで。カナスより観光地としての規模は小さいですが、ヘム村の中心地はさらに賑やかで驚きました。
有名な禾木桥を渡り、高台の展望台に行こうと思ったのですが、半分まで上ったあたりで風がとても強くなってきたので引き返します。ちょっと天気が怪しくなってまいりました。
そのそばの白樺林で写真を撮ります。牛がめっちゃいた。
中心地は食べ物屋や土産屋がずらりと並び、店先で踊って客寄せをする店員さんも多い。
Day 9: 禾木(ヘム)村→阿勒泰(アルタイ)市の予定だったが…
前日からの曇り空が残った生憎の雨模様。冷えるのであまり遠出はせず、ロッジの庭から霧の禾木を眺めます。日の出の時刻直前に少し山が見えたと思ったら、すぐにほとんど雲か霧に完全に覆われてしまいました。
モフモフワンちゃんこんにちは。寒くないのかしら。
宿泊先の近くにある旧寺子屋・現宿泊施設の百年老屋を訪れます。
メインの展示小屋は改装中でしたが、外の小さな小屋や展示品だけでも興味深いものでした。玄関のドアに綺麗な刺繍のカーペットが貼ってあるのが特徴でしょうか。木のレリーフに立派なキノコが生えてる家も。
さて、雨は弱まるどころか強くなる一方なので、早めに禾木から撤退することに。同じ考えの人でシャトルバスはぎゅうぎゅう詰めでした。
| なぜか今満開のひまわり。 |
| 入口ターミナルに帰着。山にかかる雨雲。 |
禾木の入り口ターミナルで運転手さんと合流し、食料調達して次の目的地・阿勒泰(アルタイ)市への山道をゆく。
途中の景色の良い場所で一休み 、中国式おでんや茹でとうもろこしで温まります。雲海がすごい。
高度が上がるにつれ冷えてくる外気。さらに進んでいくと、なんと雨が雪に変化しました! 大粒の牡丹雪であっという間に山が粉砂糖を振ったように。
しかし新鮮な景色に喜んだのも束の間、阿勒泰まであと80kmの地点でなんと雪のせいで足止めを食らってしまう。まだ低高度の場所は雨だけど、山の上はすでに雪が厚すぎる&道が凍結しているから進めないということで、除雪車待ちに。
しかし待てど暮らせど除雪車は来ず、そのうち阿勒泰への道は警察によって完全に封鎖されてしまいました。どうも道の先でずっと救助活動(凍結した道路で山を登れない車を押し上げる)をしていたらしく、その情報が1時間半経ってやっと降りてきたという…。
今年の3月に開通したばかりの道路で、まだ情報の行き来がうまく行ってない様子。雨の中ずっと頑張って誘導してた警察官さんおつかれさまでした。
しかしここも雪が降ってきてしまったので、急いで禾木方面を戻ることを決断。Uターンするのにもだいぶ時間がかかり、やっと走り出した戻り道では2時間の間に雪が結構積もっていました。
| ここから先の小さなサービスエリアで数十台の車が立往生。 |
運転手さんがゆっくり慎重に慎重にバンを運転。下り道を時には時速10kmでゆっくり降りてゆき、なんとか無事に雪のエリアを脱出。一時期どうなるかと非常に緊張しました。なにせ雪山に閉じ込められたら、旅行の予定が狂うどころか命の危険もありえたわけですから… とにかくそうならずに済んで本当に良かったです。山の変わりやすい天気を甘く見てはいけませんね。
黒と白のコントラストが綺麗な山の景色をついでに堪能できたことをプラスに捉えましょう。
| ものすごいヘアピンカーブだらけの山道。 雪の中ずっと走ってくれた運転手さんに感謝です。 |
大きな街まであと一時間というところの場所で食料追加のために入ったミニスーパーの店員さんたちに、雪の時期は山道は滑って登れなくなる、戻って来れて良かったよと慰められました。またこの辺に来る時寄ってねと。緊張が緩んだところで他人の優しさに触れて心があったまりました。
立ち往生から約6時間の運転で23時きっかりに布尔津(ブルジン)に戻って来れました。運転手さん本当にお疲れさまでした! ハプニングは旅には付き物ですが、パニックにならず冷静に対処するのが大事。こういう時こそ旅行仲間が良識ある大人たちであることに感謝です。
後のニュースによると、私たちの通りたかった阿禾高速は引き続き封鎖中で阿勒泰も大雪、さらに100台くらいの車が放置状態、人間は避難したが車を取りに行けるのが4日後の見通し…という話でした。あの時引き返したのは本当に正しい判断でした。何はともあれみんな無事に生きて帰って来れて良かったです。
Day 10: 布尔津(ブルジン)→乌鲁木齐(ウルムチ)
10日間の旅も終わりに近づき、今日はウルムチへ戻る日。布尔津から乌鲁木齐まで砂漠高速と名付けられたS21番道路をひたすら走ります。
その名の通り、周りの景色は砂漠のように茶色い広い大地。最初は黒い岩に茶色い草が生えていてちょっと地球っぽくない不思議な景色でした。それか胡麻成分多めの黒胡麻きな粉みたい。牛や羊やラクダの群れもあちこちに。
途中で乌伦古(ウルンガ)湖という新疆で2番目に大きいという湖を訪れます。雨のせいもあるかもしれませんが、とにかく反対岸が見えないほど大きい! 目を凝らすと水鳥がたくさん浮かんでいるのが分かりました。
雨は南東に進むにつれて止んでくれて、久々に思える日光に照らされます。
しばらくサバンナのような風景を進み、ここでこの度一のラクダの大群を見ました。
だんだん高度が低くなると、周りの風景は綿花や向日葵の畑に変化。
街に近づき高層マンションが増えたところで、一週間ぶりに飛行機を見ました。
ホテルに着く前にとあるバザールの中の乾物屋でお買い物。ナッツやラクダミルクのおやつが美味しいので家族への土産を購入。
ホテルに戻って一息ついたあと、夜は大巴扎(グランドバザール)に繰り出します。ウルムチ中心街の超賑わってるバザール! 主にカザフ系の様々な工芸品や楽器屋、理髪店などなどが立ち並び、賑やかな美食街が有名です。見たことのないものがいっぱい!
| 「お父さんのお爺ちゃんの理髪店」 |
人ひしめき合う美食街にて、阿茹娜Arunaというカザフ料理のレストランで晩御飯をいただくことに。
お肉がどれも柔らかくて美味しい。馬のソーセージを試してみたら結構美味しい!
表の看板で宣伝していたラクダのミルクも試しました。牛乳より後味があっさりしている。地ビールのWusuもまろやかな口当たりでした。
そしてやはり黄色ニンジンが甘くてよい。
新疆では割とよくある形態の、15分ごとくらいに披露される店員さんたちの踊りと歌を堪能しながら楽しく過ごせるレストランでした。最後はお客さんの男の子も一緒に踊ってて可愛かったな。
せっかくなので無料で試せる店内の帽子や衣装を着けてみました。どれもデザインが素敵。革のベストが結構重かったです。
Day 11: 乌鲁木齐(ウルムチ)博物館
最終日はウルムチ博物館にて考古学のお勉強。
入場は無料ですが完全予約制、一週間前にスロットを押さえておきました。
数字間で全部は到底見切れない数の展示品の中、目玉である楼兰美女と名付けられた自然乾燥でできたミイラを見に行きます。エジプトのミイラのような防腐加工を施されたものではないので、厳密にはミイラではなく乾燥体とでも言いましょうか。
写真撮影禁止のエリアには、一体のみならず何体もの状態の良い乾燥体が展示されています。新疆でも特に乾燥している猛暑の土地で掘り起こされた土葬の埋葬体たち。位の高そうな夫婦の乾燥体や、名前の判明している将軍、中には生まれて数ヶ月であろう赤ちゃんが大事に包まれ、哺乳袋付きで埋葬されていたものもありました。皮膚がそのまま乾いたので頭髪や髭もついたまま、入れ墨や爪の状態も見られるのが興味深い。そして3000年以上前にも綺麗な装飾品を綿や革で作っていたのだな。
| カフェスペースがおしゃれだった。 |
ここの目玉の展示品、中国のアダムとイヴと言える伏羲女娲の絵や、“五星出东方利中国”と文字と青ベースのカラフルなパターンが織られた腕当てなども閲覧。後者はなかなか見つからず、スタッフも見当たらないので土産屋の人に聞くと特設展があるとのこと。三階に移動してご対面、思ったよりやはり小さいけど綺麗ですね。2000年前のものが今でも色褪せず残っているのが不思議だ。
新疆の遺跡の発掘作業には欧米の国々や日本も関わっており、一番発掘品・壁画を多く所持しているのはドイツ・ベルリン民族博物館だそう。そんな遠いところに。
さて、初めての新疆ウイグルの旅はこれにて終わりを迎えます。中国とカザフやモンゴル系など様々な文化が入り混じった地では、今まで経験したことのないたくさんの綺麗な景色や美味しい食べ物に出会えました。途中でハプニングがあったものの、最終的には何事もなく無事に戻ってこられたのでオールオッケーです。出会う人も皆親切でありがたかった。次の目的地は南新疆かな?!
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